Chapter8

Chapter8

再会

そこの景色は知らないし 寒いのか暖かいのかも判らない 人は行方知れずと言うかもしれないが 私はきっとまた君を見つける事が出来る   人ごみの中で笑って手を振る君かもしれないし 虫の鳴く静かな秋の夜に 君が織る機織りの音を聞くかもしれない 寒い冬の夜に囲炉裏で暖まった小さな土間に ひょっこりと顔を出すかもしれない   そしてそのとき君はすこし怒って、笑いながら言うだろう 「おそいじゃないの」 そして私は又言う 「いやあ、あの後大変だったんだよ。いろいろあってさ」   ...

残日、あるいは「追憶」として―Lyrics

行く舟は まだ来ず 空は夕焼けに染まり れんげ畑の上を雲が行く 行く舟は まだ来ず 空はオリオン傾き 金星は木蓮の彼方 赤い鉄橋の下に 川は流れて その川の向こうに 君の家はあった 早くして 風に消えた 幼な友達の 君の墓は知らない 今日もまた 一日は 浅い眠りで始まる 今日もまた 一日は 浅い眠りで始まる 行く舟は まだ来ず 空は雲一つなく 風は川のようだね 夜はいつだって 息をひそめて まだ明けぬ星のなか 君よ静かに 死...

現実は理想の地平の上にできている

平和ゆえに 平和への渇望が薄れ 平和の尊さを忘れ あまつさえもその平和を捨て去ろうとしている   かつて私たちは平和を忘れ 疎み 踏みにじった しかし血だらけの凍った地平からでも 必ずいつも緑豊かな平和な大地が現れてくる   それはこの現実が理想の地平の上にできているからだ   確かに現実は理想を覆い隠してしまう しかし理想を見失えば現実もまた霧の中を行くようなものだ いくら舟の舵をいじっても 霧の中を進めば 暗礁に乗り上げるのは目に見えている  ...